- クレジットカードのセキュリティコードとは
- セキュリティコードを悪用されるケースについて
- 悪用対策について
この記事をご覧になっているということは、このような疑問をお持ちだと思います。
これらについてまずサクッと簡単に説明すると、
⇒クレジットカード番号とは別にコードを入力してもらうことで、スキミングをはじめとした不正利用のリスクを減らすためのもの
▼セキュリティコードを悪用されるケースについて
⇒店員に盗み見られる、管理がずさん、詐欺や偽装サイトで盗まれる等
▼悪用対策について
⇒怪しいサイトやメールのリンクはクリックしないこと、OSやブラウザのアップデートを行うこと、セキュリティソフトを利用すること等
クレジットカードのセキュリティコードはその名の通り、セキュリティ強化のための番号です。
近年ではスムーズな決済が優先されてセキュリティコード入力を省略するところもありますが、まだまだセキュリティコードの重要性は高いと言えます。
今回は、そんなセキュリティコードについて、悪用されるケースと対策を中心にご紹介していきましょう!
※少し長いので、目次を見て必要な所だけ見るのが良いと思います。
クレジットカードのセキュリティコードについて
セキュリティコードの目的
セキュリティコードの目的は、クレジットカード番号とは別にコードを入力してもらうことで、スキミングをはじめとした不正利用のリスクを減らすことです。
クレジットカードの利用伝票や明細書に記載されることはなく、クレジットカード会員のみが知ることができるため、特にオンライン上での決済時に対策が高いと言われています。
セキュリティコードは、ほとんどのクレジットカード会社では裏面に印刷されており、磁気情報には記録されず刻印もされていない、あえて平面印刷になっています。
クレジットカード本体には、一般的には次のように情報が入っている場所が異なります。
登録場所 | 内容 |
---|---|
クレジットカード表面 | クレジットカード名 |
クレジットカード会員番号 | |
クレジットカード有効期限 | |
名義人の名前 | |
国際ブランド(VISAやJCBなど) | |
ICチップ | |
ホログラム(キラキラした金属箔の3次元像。VISAであれば、カード番号の下4桁の部分に鳩の画像のホログラムが入っている) | |
クレジットカード裏面 | セキュリティコード(表面の場合も) |
磁気ストライプ(表面の場合も) | |
顔写真(ない場合も) | |
本人署名欄 | |
クレジットカードの発行会社情報 | |
海外のATM運営会社 | |
磁気ストライプ | クレジットカード番号 |
クレジットカード有効期限 | |
国際ブランド(VISA、JCBなど) | |
名義人の名前 | |
ICチップ | 磁気ストライプと同じ |
暗証番号 |
このように、各情報が色々な場所に保管されていますね。
セキュリティコードが磁気ストライプに入っていないのは、スキミングでカード情報の一部が盗まれたとしても不正利用されないようにするためです。
セキュリティコードの桁数と印字場所
セキュリティコードの多くは、次のように3桁で裏面に印字されています。
VISAやMastercard、JCBの場合
出典 ZEUS
細かいですが、セキュリティコードの呼び方はクレジットカード会社によって異なることがあります。
例えば、VISAの場合のセキュリティコードはCard Verification Value(CVV2)と呼ばれ、Mastercardの場合はCard Validation Code(CVC2 )と呼ばれています。(JCBは特になし)
いずれにしても同じ役割ですが、表示されるときに違いがあるときもあるということです。
Dinersの場合
Dinersの場合は、カード裏面の署名欄に記載されているクレジットカード番号の後に記載された3桁の番号になります。
CVV2のような呼び名は、Dinersでは使われていません。
American Expressの場合
American Expressの場合は、クレジットカード番号の表面の4桁の番号で、他のクレジットカードとは表示も桁も異なります。
また、セキュリティコードもCard Identification Number(CID)と呼ばれています。
代表的なクレジットカードのセキュリティコードをご紹介しましたが、日本国内すべてのクレジットカード会社がセキュリティコードを導入しているわけではありません。
セキュリティコードを使う場面
セキュリティコードは、インターネット上で安全にクレジットカードを利用するために導入されました。
クレジットカードが普及するとともに増えた不正利用対策として2000年前後に大手クレジットカード会社が導入をはじめました。
一般社団法人「日本クレジット協会」の調べによると、不正使用被害額は次のように平成12年(2000年前後)が非常に多く、そこから被害は少しずつ減ってきていることがわかります。
期間 | クレジットカード不正使用被害額 |
---|---|
平成9年 | 188億円 |
平成10年 | 216億円 |
平成11年 | 271億円 |
平成12年 | 308億円 |
平成13年 | 275億円 |
平成14年 | 291億円 |
平成15年 | 271億円 |
平成16年 | 186億円 |
平成17年 | 150億円 |
平成18年 | 105億円 |
平成19年 | 91億円 |
平成20年 | 104億円 |
平成21年 | 101億円 |
平成22年 | 92億円 |
平成23年 | 78億円 |
平成24年 | 68億円 |
平成25年 | 78億円 |
2桁台でもすごい額ですよね・・・
これまでのインターネット上の決済ではセキュリティコードを求めるところも多く今でも見られますが、大手のショッピングサイトでは導入していないところも増え始めています。
例えば、Amazonでは1クリックで購入できるサービスあるし、楽天市場でもセキュリティコードなしでも購入することができます。
確かにセキュリティコードは安全性を高めるシステムではあるのですが、いちいちセキュリティコードを入力するために財布からクレジットカードを取り出して入力するのは手間になり、購入をやめてしまうユーザーも少なからずいるからです。
とはいえ、Amazonや楽天などの大手では独自にセキュリティ対策を施しているようなので、安心はできるでしょう。
スポンサーリンクセキュリティコードを悪用されるケースと対策
- 店員に盗み見られる→ポストイットやシールを貼る
- 管理がずさん→メモ書きや画像保存をしない
- 詐欺や偽装サイトで盗まれる→怪しいサイトやメールをクリックしない
店員に盗み見られる
セキュリティコードはクレジットカードに書かれているため、クレジットカードを預かる店員は見ようと思えば簡単に見ることが出来ます。
これを聞いて、「いや、それって海外の話じゃないの?私は海外に行かないから大丈夫でしょう」と思う人がいるかもしれません。
しかし、実際に日本でも店員にクレジットカードのセキュリティコードを盗み見られたケースはあります。
以前、ヤフーニュースで次のような事件が報じられていました。
アルバイト先のコンビニエンスストアで、客のクレジットカード情報を盗み取り不正利用したとして、男が電子計算機使用詐欺容疑で警視庁に逮捕された。客から支払時に渡されたカードをひそかにスマートフォンで撮影していたという。
逮捕されたのは東京都台東区浅草橋、元コンビニ従業員、神野大二郎容疑者(29)。逮捕容疑は2014年9月~12月、当時勤務していた東京都調布市内のコンビニで男性客2人のクレジットカード情報を盗み、その情報を使って電子マネー17万6000円分をだまし取ったとしている。警視庁サイバー犯罪対策課によると、容疑を認めており、少なくとも客12人のカード情報を不正利用し、電子マネー50万円分を得たほか、ネットショッピングで70万円使っていたとみられる。捜査関係者によると、ネットショッピングでカードを利用する場合、カード番号と使用期限、裏面にある「セキュリティーコード」と呼ばれる番号の三つを入力すれば決済できることも多い。神野容疑者は、アルバイト先のレジで客がカードでの支払いやポイント加算を求めると、機器が不調なふりをして時間を稼ぎ、カードの記載情報をスマートフォンで動画撮影するなどしていたという。警視庁は昨年10月にも、ガソリンスタンドで盗み取った客のカード情報で電子マネーを購入したとして4人を逮捕。
多くの人が普段使うコンビニエンスストアやガソリンスタンドでこういった事件が起きていることから、誰がいつこういった被害に巻き込まれてもおかしくはありません。
対策としては、セキュリティコードをポストイットやシールなどで隠す方法です。
コンビニやガソリンスタンドなどでクレジットカードを使う時には、セキュリティコードを知らせる必要はありませんので、隠すことで盗み見られる心配がなくなります。
ただし、自分が忘れたときのためにすぐ見れるように剥がれやすくしておくことは必要ですね。
参考:クレジットカードのセキュリティコードを隠せる必須アイテム!アマゾンですぐ購入可能
管理がずさん
家族だからといってセキュリティコードを安易に教えたり、忘れないようにメモ書きや画像保存したりしてはいけません。
このように管理をずさんにして不正利用された場合、管理責任を問われて不正利用の補償対象外になってしまいます。
不正利用の補償には色々と条件がありますが、基本的に補償されるのは自分に非がない場合です。
カードの管理はしっかりしていたのに、どうしようもない理由で不正利用されてしまった場合に限り補償されることをおさえておきましょう。
詐欺や偽装サイトで盗まれる
セキュリティコードを盗み取る代表的な詐欺には、フィッシング詐欺があります。
フィッシング詐欺とは、実在する金融機関や会社を装って偽物の電子メールやサイトに誘導させて、クレジットカード情報やログイン情報を盗み出す行為のことです。
エサで魚を釣るようにしてユーザーを騙す行為なのでフィッシングと呼ばれます。
例えば、大手銀行の三井住友銀行の場合、次のような事例が発生しています。
<ケース1>インターネットショッピングサイトを装うケース
インターネットショッピングサイトを装って、偽の購入が面で会員番号などを入力させます。
ネットショッピング認証サービス(Visa認証サービスやMastercard SecureCode)を装った偽の画面に誘導して会員番号や認証パスワードを不正に搾取します。
その際の対策としては、三井住友VISAカードの表示がされていなかったりと怪しいところがあるので、次の点に気をつけるようにホームページでも説明しています。
- 「三井住友VISAカード」のようにブランドロゴが表示されているかどうか
- 「パーソナルメッセージ」がVpass(ウェブサービス)に登録したハンドルネームか確認
- VpassのIDを入力させることはない
出典 三井住友銀行
<ケース2>ポータルサイトを装ったフィッシングメールを送信するケース
実在するポータルサイトを装ってメールを送信して、「今後も〇〇サイトをご利用いただくためには、ユーザーアカウント継続手続きが必要です。」のように偽のホームページに誘導します。
そこで、セキュリティコードを含む個人情報を不正に搾取する手口です。
こうした場合の対策としては、三井住友銀行の公式ホームページかどうかをしっかり確認することが大切です。
また、OSやブラウザ・メールソフトのアップデートをしっかり行い、セキュリティソフトを利用することもオススメします。
<ケース3>銀行やカード会社を装って電話やメールがくる
銀行やカード会社を装って、「あなたのカードが不正に使用されています。至急カードを停止しますので、会員番号や有効期限、暗証番号、セキュリティコードを教えてください」のようにして、個人情報を不正に搾取する手口です。
この場合の対策は、電話やメールで個人情報を聞くことはないと知っておくことしかありません。
もし個人情報を教えてしまった場合は不正利用される可能性があるので、すぐにクレジットカード会社に連絡しましょう。
現在のカードをストップさせて、新しいカードの発行などの対応をしてくれるはずです。
参考:クレジットカードの再発行に要する期間を最小限に留める3つのポイント
以上をまとめると、フィッシング対策としては次のようになります。
- 怪しい入力画面には絶対に個人情報を入力しないこと
- 身に覚えのない認証メールのリンクはクリックしないこと
- OSやブラウザ、メールソフトなどのアップデートを常に行うこと
- セキュリティソフトを利用すること
また、日本国内で発生しているフィッシング詐欺の最新情報を収集して注意喚起をしているフィッシング対策協議会のホームページも参考になりますので、是非チェックしてみてくださいね!
スポンサーリンクセキュリティコードが流出した場合の対応
セキュリティコードを厳重に管理していても、クレジットカードの紛失やフィッシング詐欺、ネットショッピングの店舗側が流出してしまう場合も考えられます。
本来であれば、セキュリティコードは店舗側で保存することは禁止させるのですが、次回の入力の手間を省かせるため、のような理由で保存している店舗も存在しているのが現状です。
もしそのような店舗がサイバー攻撃を受けると、流出の危険性がありますよね。
もしセキュリティコードが漏洩してしまうと、相手がクレジットカード番号も知っていた場合、不正利用されてしまいます。(流出したら全てが不正利用されるわけではありませんが)
もし不正利用されたと思ったら、次の3つの方法を試してみましょう。
- カード会社に連絡
- 家族が利用していないか確認
- 警察に被害届を提出
カード会社に連絡
多くのクレジットカードには不正利用された際や紛失の際専用ダイヤル(24時間)が用意されています。
連絡が遅くなるとそれだけ不正利用の被害が増えることも考えられるので、まずは利用停止依頼をクレジットカード会社にすることをおさえておきましょう。
家族が使用していないか確認
クレジットカードの不正利用が発覚した場合、被害者に管理上の責任がなければ被害を補償してくれます。
しかし、被害者側の管理上に問題があれば、補償の対象外になる場合があります。
これは家族や友人などが利用した場合でも、不正利用と認められなくなるので注意が必要です。
特に、家族であれば「いいよ、自分のクレジットカード使って」と言ってしまいがちですが、これはルール違反になってしまうので止めましょう。
貸した覚えがなくても、毎回利用明細書をこまめにチェックして不正な請求がないかどうかを確かめておきましょう。
警察に被害届を提出
クレジットカードの利用停止をしたら、警察に被害届を提出しましょう。(ただ、念のためクレジットカード会社に警察への届けが必要か否かを確認しておきましょう)
被害届には、盗難届と紛失届の2種類があります。
盗難届は、明らかに盗まれたと分かる場合、つまり車上荒らしや路上でひったくられた場合などですね。
紛失届は、保管したはずの場所にない、財布を落としたかもしれない、など盗まれたとは確実に言えない場合に適用します。
どちらにしろ、被害届を出すと受理番号が伝えられるので、この番号を必ず控えておきます。
この番号が、不正利用の補償制度の利用に必要な場合があるからです。
クレジットカードには、盗難保険が自動的についているものと自動でついていないものがあります。
盗難保険がないと被害額を全て自分で負担しなければならない可能性があるので、必ず盗難保険が付帯しているかどうかを確認しておきましょう!
いつどこで誰があなたのクレジットカードを狙っているか分からないので、「自分は大丈夫だろう」と思わずに、セキュリティシールを貼ったりして厳重に管理して、被害に遭った時の対応も頭にいれておくと安心ですね!
参考:クレジットカードのセキュリティコードを隠せる必須アイテム!アマゾンですぐ購入可能