- クレジットカード加盟店規約とは?
- クレジットカード加盟店規約違反の通報先は?
- 通報以外の選択肢は?
この記事をご覧になっている方は、上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。
これらについてまずサクッと簡単に説明すると、
▼クレジットカード加盟店規約とは?
⇒正当な理由なしにカード利用を拒否してはいけない、現金払いに誘導してはいけない、カード払いに別途手数料を上乗せしてはいけない等
▼クレジットカード加盟店規約違反の通報先は?
⇒自分が持っているクレジットカード会社に連絡
▼通報以外の選択肢は?
⇒加盟店規約違反を理由に主張する、現金の持ち合わせがないと主張する、モバイル決済で対応する等
クレジットカード払いは、カード会員とカード会社だけの契約ではなく、販売店との加盟店契約もあって初めて成立するものです。
カード利用者がクレジットカードを使うと、カード会社がカード利用者の代わりに代金を立て替え、販売店は売り上げに応じた手数料を払う仕組みになっています。
つまり、販売店側にとっては手数料が売り上げに影響してくるのでなるべく避けたいのが本音です。
しかし、カード会社と販売店との間にはクレジットカード加盟店契約が結ばれており、そこには規約が存在しています。
今回は、クレジットカード加盟店規約の詳細や違反している販売店への対応についてご紹介していきましょう。
※少し長いので、目次を見て必要な所だけ見るのが良いと思います。
クレジットカード加盟店規約とよくある違反内容
クレジットカード加盟店規約について
冒頭でも触れたように、クレジットカード会社は、買い物をした販売店にその購入代金をカード利用者に代わって支払った後、カード利用者の銀行口座などから代金を引き落とします。
出典:MUFG
クレジットカード会社は、販売店と加盟店契約を結び、売り上げに応じた手数料で儲けているわけですね。
これだと販売店側にあまりメリットがないように見えますが、次のように販売店にもメリットはあります。
- 高額商品でも販売チャンスを逃さない
- 海外のお客さんもターゲットにできる(海外ではクレジットカード払いが一般的)
- 集金の手間がかからない
- 釣り銭が不要
- 現金をおかないので強盗リスクが減る
- 所持金が少ない人でも販売できる
- 利用実績から年齢や性別などのターゲット層の分析ができる
- クレジットカードブランドによる安心感を与えられる など
クレジットカード会社と販売店の間で加盟店契約をするわけですが、そこには各カード会社に規約が存在します。
大手クレジットカードJCBのクレジットカード加盟店規約の内容(一部)を見てみましょう。
第11条 (加盟店の義務、禁止行為等)
2.加盟店は、有効なカードを提示した会員に対し信用販売を拒絶し、または現金払いや他社の発行するクレジットカードその他の決済手段 の利用を求めてはならないものとします。また、加盟店は、会員に対し、現金払いその他の決済手段を利用する顧客と異なる金額を請求 したり、カードの取扱いに本規約に定める以外の制限を設ける等、会員に不利となる差別的取扱いを行わないものとします。
また、三井住友のクレジットカード加盟店規約の内容(一部)も見てみましょう。
第4条(信用販売)
1.加盟店は、会員が、カードを提示して、物品の販売、サービスの提供、その他加盟店の営業に属する取引を求めた場合は、本規約に従い、現金で取引を行う顧客と同様に、店頭において信用販売を行うものとします。
つまり、カード利用の金額制限や時間制約は原則してはいけないので客がクレジットカードを利用したいといえば使える、ということです。
よくあるクレジットカード加盟店規約違反について
- ランチタイムはクレジットカードを使えない
- 別のクレジットカードを使うように誘導する
- 〇〇円以上でないとクレジットカードを使えない
- クレジットカードの手数料を別途上乗せする
数百円レベルの決済でも販売店はクレジットカード会社に対して手数料を払わなくてはいけないため、あまり大きな額が見込めないランチタイムや数千円程度の決済でクレジットカードを使えないようにすることがあります。
数千円程度ではお店側の利益も少ないため、なるべく売上を伸ばすために手数料を払いたくないことからこういった規約違反をするところがあります。
手数料は業種ごとに料率が異なり、次のように1%程度~大きいところだと10%前後のところもあります。
業種 | 手数料(目安) |
---|---|
コンビニ | 1~1.5% |
デパート | 2~3% |
小売り | 3~5% |
飲食店 | 5~7% |
水商売 | 7~10% |
なぜこれだけ手数料の幅があるかというと、回収のリスクが関係しています。
回収リスクが高いところほど手数料が高くなる傾向があり、コンビニやデパートなどの回収リスクが低いところは比較的低めになっています。
お店側としては、数百円ほどでもクレジットカードを使われると手数料がかかって売り上げに影響するため、さきほどのような金額制限や時間制限を設けることがあるわけですね。
もしお店で金額制限や時間制限があれば、これは違反の可能性が高いので分かりやすいですが、分かりにくいケースもあります。
その代表的なものが、家電量販店などで取り扱っているポイント制度です。
こういった家電量販店で、クレジットカード決済の場合に手数料分のポイントを差し引いているところもあるからです。
つまり、「クレジットカードだとポイントが◯◯%少なくなるので、現金払いの方がポイントがお得ですよ」として現金払いを誘導するやり方です。
これはグレーゾーンで、明らかなクレジット加盟店規約違反とは分かりにくいです。
やっていることはクレジットカード加盟店の規約違反行為と同じなのですが、ポイントの設定自体はお店独自のものなので自由に設定できるという点を利用していることがグレーゾーンということになります。
また、海外ではクレジット加盟店規約自体がなく、手数料を別途上乗せする行為が法律で認められている国もある点に注意が必要です。
例えば、イギルスやオーストラリア、デンマークなどでは「クレジットカード・サーチャージ」として合法的に利用手数料を上乗せすることが認められています。
サーチャージという言葉でよく聞くのは、海外旅行に行く際の燃油サーチャージではないでしょうか。
燃油サーチャージは、航空会社の企業努力ではどうしようもできない燃油価格の一部を運賃とは別で乗客に負担してもらうものですよね。
それのクレジットカード版だと思えばよいでしょう。
クレジットカードにかかる手数料はお店側の努力ではどうしようもないので、商品・サービス価格の一部を別でお客に負担してもらうということですね。
利用手数料は店舗の取扱総額にもよりますが、だいたいは日本と同様もしくは少し低めの1~6%程度になっています。
スーパーやコンビニ、ファストフード店などは単価が安くて企業競争が激しいのもあって手数料を上乗せしないところも多いですが、高級なレストランやホテルなどでは1~5%を手数料として上乗せするケースがあります。
チップ文化があるところもあるので、手数料が上乗せされるとなかなかの出費となるので、チップも含めて事前に調べておくと良いでしょう。
スポンサーリンククレジット加盟店違反の通報先は?
さきほどご紹介したようなクレジットカード加盟店違反があった場合、クレジットカード加盟店違反として通報することができます。
その際は、カードの裏面に記載されているカード発行会社まで連絡しましょう。
VISAカードだからVISA、といってアメリカの企業のVISAには連絡しないようにしてくださいね。
クレジットカード発行会社は次のような会社名になっているはずです。
- JCB
- セゾンカード
- MUFGカード
- 三井住友カード
- アメリカンエキスプレス
- ダイナースクラブ
- オリコカード
- セディナカード
- ジャックスカード
- UCカード
- 楽天カード
- JALカード
- イオンカード
- ライフカード
- ビューカード
- エポスカード
- アプラス
- ポケットカード
- dカード など
電話をかけたら、音声案内の場合は音声に従い、クレジット加盟店規約違反についての相談といえば通じます。
もしクレジットカードを紛失するなどして持っていない場合は、利用明細書などのクレジットカード会社からの郵便物やネット明細書、電子メールなどをチェックしてみてください。
紛失した場合は不正利用されているかもしれませんので、次の記事を参考にして対応してくださいね!
→【怒り】クレジットカードが悪用された《すぐに利用停止する方法》と警察への連絡方法も
注意すべき点として、このクレジットカード加盟店契約の規約はあくまでもクレジットカード会社が決めたルールであり、日本の法律で決まっているわけではありません。
したがって、通報したからといって警察が来て取締をうけるわけではなく、クレジットカード会社からの是正指導が入るにとどまる点は覚えておきましょう。
スポンサーリンク通報以外の選択肢は?
- 加盟店規約違反を主張する
- 現金の持ち合わせがないと主張する
- モバイル決済で対応する
加盟店規約違反を主張する
友人と楽しく食事をしたり、ランチですぐにオフィスに戻らなければならなかったりするときに「クレジットカード手数料が別途かかります」と言われれば、疑問を持ちながらも仕方なしに了承しがちだと思います。
しかし、これは原則的にクレジットカード加盟店規約違反になるので、「それはクレジットカード加盟店規約違反ではないんですか?」と主張してみましょう。
大半はクレジットカード払いに対応してくれることになりますが、中にはクレジット加盟店契約の際に決済可商品と不可商品を届出している場合があります。
例えば、定期券や回数券などの換金性が高いものや電子マネーのチャージ分などは制限がかかる場合があり、鉄道会社によっては自社が発行しているクレジットカードのみ定期券などを購入してよい、としているところもあります。
クレジットカードの制限すべてが加盟店規約違反ではないということですね。
また、対応した店員がクレジット加盟店規約について知らない場合も考えられますよね。
「そういう決まりになっているので」と言われてしかも上司がいないとなった場合、時間も手間がかかるので諦める人が多いかもしれませんが、ルールはルールなので正しい主張と言えるでしょう。
現金の持ち合わせがないと主張する
日本ではあまりありませんが、クレジットカード自体を扱っていない可能性も多少はありますので現金を全く持っていかないのはリスクがあります。
ただ、クレジットカードを扱えるお店でクレジットカードが使えないのは規約違反の可能性が高いですから、現金は持っていないとなると相手もクレジットカードで対応せざるをえないことになります。
脅しのようであまりオススメできるものではありませんが、これも1つの方法ではありますね。
モバイル決済で対応する
クレジット加盟店違反ではないのか云々、となるとお店側とモメて余計な時間やストレスがかかる可能性もあるので、もしモバイル決済ができるのであればそっちを優先する方がお互いによって良いこともあります。
モバイル決済とは、AndroidやiPhoneなどのスマートフォンを利用してクレジット決済をする決済手段のことです。
これは、お店側にとってもモバイル決済にすることで次のようなメリットがあります。
- 加盟店手数料が安い(3%前後)
- SuicaやPASMO、楽天Edyなど幅広区対応できる
- 入金サイクルが早い
- モバイル決済の導入費はキャンペーンなどを利用することでほぼ無料になる
- 利用者分析などのデータ取得が簡単
日本では楽天ペイが特に浸透していて、楽天口座を持っていれば土日祝日関係なく即日入金してくれるのはお店側にとっても非常に嬉しいですよね。
今回は、クレジットカード加盟店契約の規約と違反行為、違反への対処方法についてご紹介しました。
クレジットカードを扱っているお店では基本的には制限をかけてはいけないので、このルールを知っていればクレジットカードだけで困ることはないでしょう。
ただし、業種や国によっては例外はありますので、ある程度の現金とクレジットカード、モバイル決済と決済手段を持っておくことで不安はなくなります。
海外にいくときは事前にチェックをして、事前の準備をしっかりしてから楽しんでくださいね!