クレジットカードの機能の一つに「キャッシング」機能がありますが、急な予定で現金が必要になった時などは非常に頼りになるサービスです。
ただ、普段から使っている方も含めて、いざキャッシングしようとした時に、何らかの理由でキャッシングできなくなっていると驚きと不安、そして何よりとても困ってしまいますよね。
最も多い原因として、限度額のオーバーや支払いの延滞などが挙げられますが、それ以外にも確認すべき原因があります。
そこで今回は、クレジットカードでキャッシングできない時にチェックすべき9つの確認事項と対処方法をご紹介します。
万が一の時に慌てなくて済むように、ぜひ確認しておきましょう。
キャッシングができない時に確認すべき9つの確認事項
それでは早速、キャッシングができない時に思いつく原因を挙げていきます。
- 返済を延滞・滞納
- 引き落とし口座の残高不足
- 利用限度額オーバー
- そもそもキャッシング枠が付帯していない
- 口座振替設定が済んでいない
- ATMが契約しているカード会社に未対応
- 暗証番号を一定回数間違えた
- 不正使用検知システムによる利用停止
- 磁気不良
それでは1つずつ見ていきます。
返済を延滞・滞納
毎月の支払日にきちんと返済していないと、当然ながらキャッシングができなくなり、ショッピングの利用も停止となります。
クレジットカードの利用停止を解除するには?
利用を再開するには滞納している支払い分を入金し、カード会社が確認することで利用可能となります。
ただし実際に利用を再開できるようになるまでの時間はカード会社によって異なるので、残念ながら正確な再開時期は分かりません。
早いところでは入金確認後、数時間で利用できるようになるカード会社もあれば、数日かかるカード会社もあります。
カード会社に直接問い合わせるのが確実
いずれにせよ入金後、利用再開までにどの程度時間が掛かるかはカード会社に直接電話をして問い合わせるしかありません。
問い合わせることで、正確な時間は分からずとも、ある程度の目安を聞けたり、場合によっては早めに利用再開できるように対応してもらえるかもしれません。
支払いの延滞や滞納は、あなたの信用情報を傷つけてしまうので、可能な限り避けたほうが良いでしょう。
詳しくはこちらでもご紹介しています。
[blogcard url=”https://creditcard-reporters.com/basic/creditcard-delinquency/”]引き落とし口座の残高不足
決められた支払日に、引き落としに指定した口座の残高が不足している場合は、やはり延滞・滞納となります。
そして数日以内に利用停止になり、キャッシングができなくなります。
先にご説明した「返済を延滞・滞納」と同じですが、こちらはうっかり支払日を忘れてしまっていた場合や、たまたま他の引き落としと重なってしまう場合に起こりやすい原因の1つです。
当日入金は危険?引き落としされるタイミングは?
また、実際に引き落としされるタイミングですが、これは銀行や支払い先によって異なるので一概には言えません。
一般的には日付が変わった午前0時から順次、引き落とし処理されることが多く、そのタイミングで残高が不足している場合はエラーとして処理されます。
したがって当日の朝一番で引き落とし分の入金をしても間に合わない場合もあるので、出来る限り支払日の前日までには口座にお金を用意しておきましょう。
銀行によっては1日に2回、もしくは3回まで引き落とし処理を実施する場合や、口座への入金があると即時引き落とされる場合もありますが、確実ではないため前日までに準備しておくと安心です。
引き落としに間に合わないとすぐに利用停止になるの?
また仮に、引き落とし日に残高が足りない場合、次の日にすぐに利用停止になることはほとんどなく、通常は銀行からカード会社に「引落し不能」が伝わるのに数日かかります。
万が一、支払い日に正常に引き落としがされていない場合は、気づいた時点ですぐにカード会社に電話をして、指示を受けるようにしてください。
大抵の場合、カード会社の指定口座に振込をすることで解決します。
この場合、延滞した日数分の遅延損害金とは別に振込手数料も必要ですが、あなたの信用情報に重大な傷を付けないためにも出来る限り早く対処することをおすすめします。
うっかりミスを防ぐには?
また、銀行が対応している場合は、引き落としの通知や、引き落としの事前通知を電子メールで知らせてくれるサービスを活用するのもうっかりミスを防ぐ方法として有効です。
例えば三井住友銀行の「電子メールお知らせサービス」を利用すると、登録している電子メール宛に以下のうようなメールが届きます。
もし、引き落としに日に口座の残高が不足している場合は以下のようなメールで通知してくれます。
このメールのおかげで、引き落とし用口座の残高が不足していることに気づくことができ、すぐに対処することができました。
利用限度額オーバー
キャッシングができない理由として考えられる原因の1つに「カードの利用限度額オーバー」があります。
一般的なクレジットカードには、利用できる限度額がおもに、契約者の属性(収入・勤め先など)や利用履歴を基準にして決められています。
またこの利用限度額には、ショッピング枠とキャッシング枠があらかじめ定められていて、多くの場合、ショッピング枠の中にキャッシング枠が含まれています。
利用限度額のイメージ図
例えばショッピングの利用限度額が30万円、キャッシングの利用限度額が10万円の場合、既にショッピングで25万円利用している場合はキャッシングは5万円までしかできません。
限度額オーバーを起こさないためにも、自分でクレジットカードの利用金額を把握しておくことが大切です。
そもそもキャッシング枠が付帯していない
一般的なクレジットカードには通常「キャッシング機能」がついていますが、申込み時にカード会社側の与信判断でキャッシング枠がつかなかったり、自分でキャッシング枠を0円に設定しているとキャッシングはできません。
また、ビューカード※1など一部のクレジットカード会社では、そもそもキャッシングサービスの付帯をしていないところもあります。
自分のクレジットカードにキャッシング機能が付いているかを確認するには、カード会社に直接電話して聞くほか、毎月の利用明細や、契約しているクレジットカード会社の会員ページにログインして確認するなどの方法があります。
口座振替設定が済んでいない
インターネット経由でクレジットカードを申し込んだ場合など、申込時に口座振替設定(引き落とし口座の登録)をしていない場合は、登録を済ませなければキャッシングが利用できないことがほとんどです。
まだ引き落とし口座の登録が済んでいない場合は、契約しているクレジットカード会社のホームページにある、会員専用のマイページから簡単に登録・変更ができるので、すぐに手続きをしましょう。
ATMが契約しているカード会社に未対応
クレジットカードでキャッシングする場合、銀行やコンビニ、デパートや商業施設などに設置してあるATMなどを利用するかと思いますが、あなたのクレジットカードがどのATMでも使えるとは限らず、カード会社とATMが提携している必要があります。
昔に比べ、設置されているATMがカバーしている提携先は増えてはいますが、運が悪いとたまたま立ち寄ったATMでは使えないという可能性もあります。
初めて使うATMでキャッシングができなかった場合は、とりあえず提携ATMか確認したほうがいいでしょう。
カード会社によってはインターネットや電話で申し込んで、口座振替してくれるサービスがありますので、それなら提携ATMかどうかを心配する必要はありません。
暗証番号を一定回数間違えた
クレジットカードでキャッシングをする際に必要なのが暗証番号です。
この暗証番号は一定回数以上間違えてしまうと、システムが不正使用と判断してカードをロック、もしくは利用停止にします。
何回まで間違えて大丈夫なの?
では一定回数とは何回のことなのでしょうか?
これはセキュリティの関係上、どこのクレジットカード会社も公表していませんし、電話で問い合わせても教えてもらうことはできません。
しかしこれまでの経験や一般的な見解から、連続で3回間違えると、磁気ストライプのみのカードならロック状態に、ICチップが搭載されているカードなら利用停止になります。
どうすれば間違えた回数はリセットされる?
では、間違えた回数をリセットするにはどうすればよいのでしょうか?
暗証番号のミスで利用停止になるのは連続で3回間違えた場合です。
この連続というのがポイントで、2回連続で間違えたあとに、正確な暗証番号を入力すると、それまで間違えた累計はリセットされます。
時間経過で間違えた回数はリセットされる?
現在発行されている多くのクレジットカードにはICチップが搭載されていますが、このICチップに暗証番号を間違えた回数が累積されていきます。
仮に2回連続間違えたあとに、いくら時間を開けてもリセットはされず、間違えた累計はICチップに記録され残ります。
なので間違えた回数がリセットされるのは、正確な暗証番号を入力した時になります。
ロック状態・利用停止になった場合の解除方法は?
では、3回連続で間違えてしまった場合、どのようにしてロック、もしくは利用停止を解除すればよいのでしょうか?
これは残念ながら、自分では解除できませんので、カード会社に連絡をして対処するしかありません。
磁気ストライプのみのカードなら暗証番号の変更になり、ICチップ搭載のカードなら再発行になります。
いずれの場合も、手続き後に郵送で送られてくるので1週間~2週間程はかかります。
暗証番号を忘れてしまった場合は?
暗証番号を忘れてしまった場合、カード会社に電話をして、いくら本人確認をしても口頭で暗証番号を教えてくれることはありません。
そのような場合は、各クレジットカード会社に「暗証番号通知サービス」や「暗証番号照会」などのサービスがあるので、そちらを利用します。
電話、もしくはインターネットで会員専用ページなどから申込みができ、およそ1週間程度で暗証番号が書面で送られてきます。
不正使用検知システムによる利用停止
カードの不正使用などで悪用されてしまい、気づかない間に利用停止になることで、キャッシングができなくなる可能性も考えられます。
各クレジットカード会社には、カードの不正使用防止の為に、「不正使用検知システム」を導入し、24時間体制で不正使用の監視を行っています。
これは普段とは違うカード利用のされ方をシステムで検知して、自動的にカードを利用停止にするものです。
不正使用を検知するパターンはさまざま
例えば、今まで買ったことのない高級ジュエリーを大量に購入したり、普段の生活圏内から離れたところで買い物をすると検知します。
不正使用を検知すると購入は保留になり、カード会社から連絡が来て、「先ほど〇〇で〇〇を購入しましたか?」など尋ねられたりします。
またJCBカードでは、電話での通知に加え、以下のような「不正使用検知お知らせメール」を送るように不正使用についての対策を強化しています。
不正検知システムで連絡を受けた体験談
過去の私の実体験としては、海外のサービスをそのカードで初めて決済した際に、カード会社から確認の連絡が来たことがありました。
また、友人の体験談として、今まであまり使ってなかったカードを使って、インターネットでテレビを2台購入し、品物が届くのを待っていたのですが、家電などは転売し易いからか、不正使用として扱われ何の通知もなくカードが利用停止になっていたそうです。
たまたま飲食店でカードを利用したところ、使えなくなっていることに気がついたそうで、カード会社に確認したところ経緯が分かったようです。
磁気不良
クレジットカードが使えなくなる原因の1つに、磁気テープ部分やICチップの磁気不良があります。
磁気不良になると、キャッシングができなくなる可能性が高いと言えます。
ICチップは磁気の影響を受けない
磁気テープ部分が強い磁気に弱いのはよく知られていると思いますが、実はICチップ部分は磁気の影響をほとんど受けません。
ICチップが磁気不良を起こす原因として挙げられるのが「汚れ」や「強い衝撃や曲げによる破損」、そして「静電気による破損」です。
一番起こりやすい原因が「汚れ」ですが、データを読み取る部分が汚れていると、読み取る精度が落ちてしまい、エラーを起こしていまうことがあります。
クレジットカードは今や精密機器
また、ICチップは静電気に非常に弱く、一時的に高い電圧が流れることで、静電気破壊という現象が起き、中の回路が破損してしまいます。
冬の乾燥している時期や、帯電しやすい方は特に気をつけたほうがいいですね。
クレジットカードの磁気不良に関しては、こちらの記事でもご紹介しています。
[blogcard url=”https://creditcard-reporters.com/basic/creditcard-ic-chip-failure/”] スポンサーリンクまとめ
今回はクレジットカードでキャッシングができない時に確認すべき9つの確認項目をご紹介しました。
当たり前ですが、毎月の支払いを滞納・延滞している状態を放置しているとカードは利用停止になってしまうばかりでなく、信用情報にも傷がついてしまいます。
また自分がどのくらいクレジットカードを使っているのかを把握しておかないと、利用限度額をオーバーして、いざ本当に必要な時にキャッシングできなくなるなど困った状況になってしまうかもしれません。
それと、キャッシング枠がそもそも付帯していなかったり、口座振替の登録など必要な手続きが完了していない場合もキャッシングができない原因になるので、クレジットカードが手元に届いてから一度もキャッシングしていない場合は、念のため確認しておいたほうがいいでしょう。
また初めて使うATMでキャッシングができなかった場合は、契約カードの提携ATMなのかを今一度確認しましょう。
そのほか、過去に連続して暗証番号を間違えてしまったり、カード情報が流出してしまい不正使用されてしまった場合もクレジットカードが使えなくなってしまいます。
上に挙げたどれにも当てはまらない場合は、カードの磁気テープ部分やICチップ部分が磁気不良を起こしている可能性もあります。
またごくごく稀にですが、カードが手元に届いた時点で使えない不良品だったなんて話もあります。
いずれの場合も、私たち利用者ではどうにも解決できない場合がほとんどなので、まずは契約しているクレジットカード会社のサポートセンターへ連絡を入れましょう。