• リボ払いの仕組みは?
  • リボ払いの注意点と対策は?
  • カードローンで返済した方がお得?

この記事をご覧になっている方は、上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。

これらについてまずサクッと簡単に説明すると、

リボ払いの仕組みは?
定額・定率方式と残高スライド方式がある

リボ払いの注意点は?
申込時にはリボ払いに自動的になっていないかを確認、利用時には支払能力に合った利用を心がける

カードローンで返済した方がお得?
利息を考えると、長期的にはカードローンの方がお得なことが多い

リボ払いという言葉は聞いたことがあるけどよく知らない、という人は意外と多いです。

分からないまま利用する人もおり、気づいたら借金地獄になってしまった・・・ということにならないように仕組みや事前の注意事項を必ずおさえておきましょう。

今回は、クレジットカードのリボ払いの仕組みや注意点と対策、分割払いとの違いについてご紹介します!



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リボ払いの仕組みは?

リボ払い 仕組み

「リボ払い」は「リボルビング払い」の略で、支払い金額を固定させて支払う返済方法のことです。

大きく分けると定額・定率方式と残高スライド方式の2つですが、細かく分けると次のようになります。

  1. 元利定額リボ払い
  2. 元金定額リボ払い
  3. 元利定率リボ払い
  4. 元金定率リボ払い
  5. 残高スライド元利定額リボ払い
  6. 残高スライド元金定額リボ払い
  7. 残高スライド元利定率リボ払い
  8. 残高スライド元金定率リボ払い

混乱しそうになりますが、ここでは「元利か元金」「定率か定額」「残高スライド」について整理しておけば大丈夫です。

元利と元金

「元利か元金」は、設定されている月々の支払いにリボ払いをする際の手数料が含まれているのか、別途手数料が上乗せされているのかの違いです。

元利の場合は支払額の中にリボ払い手数料が含まれていて、支払額から手数料分を差し引いた残りを元金の返済に充てていきます。

例えば、10万円の買い物をして月1万円のリボ払い、手数料が10%だとしましょう。

この場合、毎月1万円のリボ払いの中に手数料も含まれているので、1万円から手数料分の1,000円を差し引いて、残りの9,000円を元金の返済に充てるわけですね。

元利の場合の支払額=10,000円(手数料1,000円+元金返済分9,000円)

元金の場合は毎月の支払いは元金の返済に充てられて、リボ払い手数料は別途上乗せされるわけなので、上の例の場合は次のようになります。

元金の場合の支払額=11,000円(手数料1,000円+元金返済分10,000円)

リボ払いの手数料は残高の全体に対してかかるので、元金が減っていけば手数料も少なくなっていく計算です。

定率と定額

「定率か定額」は、借入残高に対してカード会社が決めた定率をかけて毎月の支払額が決められるのか、毎月の支払いがほぼ固定されているのかの違いです。

定率は、3%や5%のようにカード会社が設定します。

さきほどの元利と元金を組み合わせると、「元利定率」と「元金定率」になりますね。

元利定率であれば、手数料込の支払額になるので

借入残高✕定率

になります。

元金定率であれば、手数料は別途上乗せになるので

借入残高✕定率+手数料

になります。

定額であれば、毎月の最低返済額が5,000円、10,000円のように設定されています。

さきほどの元利と元金を組み合わせると、「元利定額」と「元金定額」になりますね。

元利定額であれば手数料込の支払額になるので、例えば支払い額が1万円であれば1万円のみの支払いになります。

元金定額であれば手数料は別途上乗せされるので、例えば支払い額が1万円であれば1万円+手数料の支払いになります。

クレジットカード

定率の場合は手数料の計算が面倒で分かりにくいこともあって、現在は定額方式が主流になっています。

残高スライド

残高スライドとは、借入残高によって段階的に最低返済額や支払いの定率を変えていく方式です。

元利と元金、定額か定率かでスライド方法が異なるので、それぞれ見ていきましょう。

借入残高例 残高スライド元利定額方式 残高スライド元利定率方式
10万円以下 毎月5,000円 7%
50万円以上 毎月15,000円 5%
100万円以上 毎月20,000円 3%

支払い額が一定の場合、そこまで毎月の返済額が大きくないように感じて買い物をし続けて借入残高が膨らみ、返済しきれないようになるリスクがあります。

したがって、借入残高によって支払額が変わっていくのは利用者側にとっては良いこととも言えますが、借入残高が減ると余裕があるからといってついつい買い物をして支払いが長期化する恐れもあるわけですね。

余裕がある月に繰り上げ返済をしたり、毎月の支払額を増額することもできるので、早めの返済をすることが大切です。

 


 

それでは、これまでご紹介した支払い方法を具体的に見ていきましょう。

例えば、最初の利用残高が30万円で金利が15%としてそれぞれの支払い方法を参考までにどうぞ。

<元利定額リボ払い>※返済額を5万円とした場合

支払回数 返済額 利息 元金返済 残高
1回目 50,000円 3,698円(300,000円✕15%÷365日✕30日) 46,302円 253,698円
2回目 50,000円 3,127円(253,698円✕15%÷365日✕30日) 46,873円 206,825円
3回目 50,000円 2,549円(206,825円✕15%÷365日✕30日) 47,451円 159,374円

<元金定額リボ払い>※返済額を5万円とした場合

支払回数 返済額 利息 元金返済 残高
1回目 53,698円 3,698円(300,000円✕15%÷365日✕30日) 50,000円 250,000円
2回目 53,082円 3,082円(250,000円✕15%÷365日✕30日) 50,000円 200,000円
3回目 52,465円 2,465円(200,000円✕15%÷365日✕30日) 50,000円 150,000円

<元利定率リボ払い>※定率を10%とした場合

支払回数 返済額 利息 元金返済 残高
1回目 30,000円(300,000円✕10%) 3,698円(300,000円✕15%÷365日✕30日) 26,302円(30,000円-3,698円) 273,698円
2回目 27,369円(273,698円✕10%) 3,370円(273,369円✕15%÷365日✕30日) 23,999円(27,369円-3,370円) 249,699円
3回目 24,969円(249,699円✕10%) 3,078円(249,699円✕15%÷365日✕30日) 21,891円(24,969円-3,078円) 227,808円

<元金定率リボ払い>※定率を10%とした場合

支払回数 返済額 利息 元金返済 残高
1回目 33,698円(30,000円+3,698円) 3,698円(300,000円✕15%÷365日✕30日) 30,000円(300,000円✕10%) 270,000円(300,000円-30,000円)
2回目 30,328円(27,000円+3,995円) 3,328円(270,000円✕15%÷365日✕30日) 27,000円(270,000円✕10%) 243,000円(270,000円-27,000円)
3回目 27,295円(24,300円+2,995円) 2,995円(243,000円✕15%÷365日✕30日) 24,300円(243,000円✕10%) 218,700円(243,000円-24,300円)

<残高スライド元利定額リボ払い>※残高返済額を30万円以上→5万円、20万円以上30万円未満→3万円、20万円未満→2万円とした場合

支払回数 返済額 利息 元金返済 残高
1回目 50,000円 3,698円(300,000円✕15%÷365日✕30日) 46,302円(50,000円-3,698円) 253,698円(300,000円-46,302円)
2回目 30,000円 3,127円(253,698円✕15%÷365日✕30日) 26,873円(30,000円-3,127円) 226,825円(253,698円-26,873円)
3回目 30,000円 2,796円(226,825円✕15%÷365日✕30日) 27,204円(30,000円-2,796円) 199,621円(226,825円-27,204円)
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リボ払いの注意点は?

  • よく分からないまま申し込みをしない
  • 計画的に利用する

よく分からないまま申し込みをしない

当たり前だろう!という人もいるかもしれませんが、意外とリボ払いについてよく分からないまま申し込む人が多いです。

入会の際には、キャンペーンのようにお得さを前面に出した広告や販売店が多いので、ついつい目先の誘惑に流されてしまいがちです。

さきほどご紹介したような「元利と元金」や「定率と定額」、「残高スライド」などをしっかり理解した上で申し込みをするようにしましょう。

申し込みの際には、利用案内書や規約を必ず確認するようにしましょう。

大手クレジットカード会社のリボ払いに対する案内を見てみると、内容も表現も異なります。

<楽天カード(お支払いについて)>

毎月の弁済金(以下リボお支払い金額)は、お手持ちのカードに設定されているリボお支払いコース金額と前月末のリボルビング残高に手数料率(実質年率15.00%)を乗じた金額となります。

リボお支払い金額は楽天e-NAVIにてご確認いただけます。

リボお支払いコースを入会時にご指定されていない方、または10,000円以下に設定の方は月末のリボルビング残高が20万円を超過した場合、リボお支払いコースは自動的に10,000円となります(残高スライド定額リボルビング方式)。

※入会時にご指定いただいていない方は、リボお支払いコースは3,000円となっております。
※リボ払いをリボお支払いコース金額以下の金額でご利用いただいた場合でも、リボ手数料がかかります。
※上記お支払い方式はショッピングリボ払いの際に、適用されるものとなります。

<ダイナースクラブカード>

毎月15日を締切日とし、翌月10日(土曜・日曜・祝日の場合は、翌営業日)に毎月の支払元金と手数料の合計金額(弁済金)を、通常のカードご利用分とあわせて口座振替でお支払いいただきます。ボーナス月の増額支払いの設定も可能です。

  • ご利用残高により異なります。
    詳細を見る
  • 手数料:実質年率15.00%[ご利用残高×実質年率(15.00%)÷12]で算出します。
  • <重要>当社は金融情勢等の変化により手数料率(実質年率)を変更することがあります。当社が手数料率(実質年率)を変更した場合、会員規約の定めに関わらず当社から変更後の手数料率(実質年率)を通知した後は、通知したときにおけるリボルビング払いの利用残高の全額に対して変更後の手数料率(実質年率)が適用されます。
  • ご利用日や月々の暦の日数に関わらず、ご利用代金の締切日(毎月15日)におけるリボルビング払いのご利用残高に対し、実質年率15.00%の手数料をお支払いいただきます。
クレジットカード

これらはほんの一部で、実際のサイトを見ると「後からリボルビング」や「海外利用分だけリボ」など色々なサービスが用意されています。

隅々まで見るとかなりの時間がかかるので、自分に必要な部分だけでも細かく見ることをオススメします。

計画的に利用する

リボ払いについての仕組みや、利用カード会社のシステム、自分が利用するコース内容について詳しく理解したあとで、申込みをします。

自分の支払い方法に合わせて返済していくわけですが、無計画にどんどんリボ払いを追加していくと返済できなくなる恐れがあります。

利用明細書を毎回必ず確認しながら、自分の支払能力を超えないように計画的に返済していきましょう。

チェックすべきは、毎月クレジットカード会社から送られてくる利用明細書の中の「支払残高」と「手数料を含む毎月の支払額」です。

よくあるのが、「リボ払い利用でポイント5倍!」のような謳い文句につられてどんどんリボ払いにしてしまうケースです。

支払いは定額で5,000円のように少額なので、そこまで痛手な金額でもないことから支払い終期が延期してしまいがちということですね。

ボーナスのように資金に余裕があるときは、支払い残高を減らせるように繰り上げ返済などを利用してどんどん返済をしていきましょう。

色々な特典は確かに魅力的ではありますが、自分の支払い能力に見合っているのかを確認しながら利用してくださいね。

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カードローンで返済したほうがお得か計算してみた

ご紹介したように、リボ払いはあらかじめ決められた返済額を支払う方法です。

これと似たものとしてカードローン(個人向け小口融資サービス)があり、長期で借りるならばカードローンの方が利息を小さくできることが多いです。

カード会社によって金利はまちまちですが、一般的にはリボ払いは15%前後に設定されているところが多いです。

カード会社 リボ払い金利
オリコカード 15%
UFJカード
MUFGカード
三井住友カード
セディナカード
楽天カード
American Express 14.9%
セゾンカード(一般カード) 14.52%

一方で、カードローンの場合は15%以下に設定されているところが多いのです。

カード会社 ローン金利
りそなクイック 9~12.475%
イオン銀行 3.8~13.8%
みずほ銀行 2~14%
楽天銀行 1.9~14.5%
三井住友銀行 4~14.5%
三菱UFJ銀行 1.8~14.6%
住信SBIネット銀行 8.99~14.79%
セブン銀行 14~15%

上限が14%前後のところが多いですが、「1%くらい、そんなに変わらないでしょ?」と思う人もいるかも知れないので、実際に金利を計算してみましょう。

例えば、50万円を借りた時の30日の利息を14%と15%の場合で比較してみましょう。

<金利が14%の場合>

500,000円✕0.14÷365日✕30日=5,753円

となり、5753円の金利が1ヶ月でかかります。

<金利が15%の場合>

500,000円✕0.15÷365日✕30日=6,164円

となり、6,164円の金利が1ヶ月でかかります。

1ヶ月の金利の差は411円なので、1ヶ月ならばそこまで大きいとは言えませんが、長期化すればこの差がどんどん広がっていくのです。

実際は返済によって元本が減るので計算も異なりますが、400円が1年続けば4,800円ですし、2年で9,600円、といったように長期化すれば1%でも大きい差になるのです。

カードローンの中にもオリックス銀行やジャパンネット銀行のように上限が15%を超えるものもありますが、多くが15%よりも低金利で借りることができます。

そういった意味でも、長期で借りるならばカードローンの利用のほうが優位と言えるでしょう。

リボ払いは、短期的には便利ですしキャンペーンなどでお得に使える一方で、長期化する恐れもあります。

長期化すると結局はカードローンの方がお得だった、ということにならないように、事前の利用案内や利用中の明細を確認しながら、計画的に利用をしていきましょう!