海外なら現金よりクレカが良い

  • 海外で現金よりクレジットカードを持っていくべき理由
  • 国内のクレカでも海外で使える?
  • 海外でクレカを使う際の注意点

この記事をご覧になっている方は、上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。

これらについてまずサクッと簡単に説明すると、

海外で現金よりクレジットカードを持っていくべき理由は?
現金が使えないところもある、手数料がかかる、クレカだと保険やポイントがつく

▼国内のクレカでも海外で使える?
使える

▼海外でクレカを使う際の注意点
最低でも2枚持っていく、保険付のカードにする、利用限度額を確認する、有効期限を確認する

昔と比べて料金も安くなり、海外に行く人も増えてきました。

海外旅行に行く際に必ず必要なお金ですが、クレジットカードは不正利用されたり失くしたりすると面倒だからなどの理由でクレジットカードを持たず、現金を持っていっていませんか?

絶対に持っていきたくない!という人ならば仕方ありませんが、もしできるだけ安くてリスクも減らしたいならば、クレジットカードのほうが実はメリットが多いです。

今回は、海外で現金よりもクレジットカードを持っていくべき理由と海外でクレジットカードを使う際の注意点についてご紹介します!

※少し長いので、目次を見て必要な所だけ見るのが良いと思います。



クレカ不正利用時にすぐやるべきこと
クレジットカードの裏面に署名してないとダメ
停電時はクレカ決済不能に?
クレジットカードのスキミング
利用限度額無制限のクレカ
税金をクレジットカードで支払う際の注意点
NHK受信料が半額になる条件



海外で現金よりクレジットカードを持っていくべき理由

  1. 現金が使えないところもある
  2. クレジットカードがないと海外のホテルやレンタカーを利用できないことが多い
  3. 現金だと両替ごとに手数料がかかる
  4. クレジットカードだとポイントや保険などのサービスがつく

現金が使えないところもある

日本ではクレジットカードが使えないところはあっても、現金が使えないところはほとんどないので、これには驚く人も多いのではないでしょうか。

ヨーロッパ、特にスウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国では「No cash!(現金払い受付不可)」としているお店(家電量販店や食料品店など)も増えてきています。

現金を受付不可にしている理由は、安全面の理由がほとんどです。

強盗が入っても被害が少なくなるようにあえてお店には現金をおかず、クレジットカードや電子マネー決済を導入しているのです。

利用者側も、いちいち現金を下ろすのが面倒といった理由でクレジットカードや電子マネーで生活に困ることはほとんどないのです。

近年では仮想通貨も盛り上がっていますし、スマホ決済もどんどん進んでおり、なんと銀行でさえ現金の取り扱いを行っていないところもあるのです。

高齢世代はキャッシュレス化に慣れていない人が多いので、すべてキャッシュレスにするわけではありませんが、この波は日本を含めていろいろな国で進んでいます。

北欧以外でも、次のような国ではキャッシュレス化が進んでおり、全部の地域ではありませんが一部の地域で現金が使えないところがあるので注意が必要です。

  • アメリカ
  • カナダ
  • オーストラリア
  • イギリス
  • フランス
  • ドイツ
  • ロシア
  • 中国 など

欧米諸国はイメージがわくとして、同じアジアの中国でもキャッシュレス化が急速に進んでいます。

中国は世界一の人口を誇るだけあって、現金をおろすATMを設置するには莫大なお金と時間がかかるため、スマホアプリを利用したモバイル決済が普及しています。

クレジットカードがないと海外のホテルやレンタカーを利用できないことが多い

海外 レンタカー クレジットカード

海外のホテルの宿泊やレンタカーを借りる際には、身分証明としてクレジットカードの提示を求めるところが多いです。

これは、バウチャーに含まれていない食事代などの支払いの保証の預り金、別名でデポジットのことです。

クレジットカードを求めないところでも、一定金額を現金で保証金としてフロントに預けるように求められることが一般的です。

クレジットカードはフロントでコピーをとって保管され、部屋のドリンクや有料サービスを利用した場合にそこから引かれる仕組みです。

クレジットカード

要は、泊まり逃げをされないための予備のためにクレジットカードをおさえておくわけですね。

やっかいなのは、最近偽物のクレジットカードを提示する人もいるために本当に使えるかどうかを確認する「仮チャージ」をされる場合があるということです。

仮チャージをしたあとに何もなければそのまま返金されるわけですが、いずれにせよ明細には仮チャージと返金分の2回分の記載があり、タイミングによっては仮チャージと返金分が違う月になることがあります。

ホテルだからといって全て信用せずに、仮チャージがしっかり返金されているかを、明細で確認するよう心がけましょう。

海外レンタカーの場合には、予約の際の注意点を必ず確認しましょう。

ほとんどの場合「クレジットカードを持っていないと車の貸し出しができない」旨が書いてありますので、旅行前に注意してくださいね!

他にも、国際免許証を持っていることや25歳以上でないと運転できない場合などがあるので、クレジットカード以外にも目を配りましょう。

現金だと両替ごとに手数料がかかる

両替 手数料 クレジットカード

海外に現金を持っていく場合、日本円→海外通貨と海外通貨→日本円の2回かかることになり、特に帰りの残り海外通貨→日本円ではコインが日本円に換金できない場合もあり、トータルだとクレジットカードの方が安い場合が多いです。

現金を両替するとき、空港で手数料がかかる場合は海外通貨にもよりますがだいたい2~10%程度の手数料がかかります。

日本円⇔海外通貨ですから、現金の場合4~20%程度が手数料でとられてしまうことになります。

つまり、10万円換金したら手数料だけで多いときには2万円もとられることがあるということです。

一方、クレジットカードの場合は、換算日の交換レート+為替処理の事務手数料がかかり、だいたい1~2%程度の手数料がかかる程度です。

例えば、基準レートが1ドル=100円だとして、為替手数料が2%だとしましょう。

海外で100ドル分の買い物をした場合は、

100ドル×100円×2%=200円

の手数料で済むということですね。

手数料の料率はカード会社によって異なりますが、大手のクレジットカード会社の料率は次のように均衡しています。

カード会社 VISA Master Card JCB
三井住友 1.63% 1.63%
三菱UFJニコス 2.16% 2.16%
楽天 1.63% 1.63% 1.6%
オリコ 1.63% 1.63% 1.6%
ジャックス 1.63% 1.63% 1.6%

利用額に応じて手数料も変わってくるので、結局は為替手数料の安いカードを選ぶことでコストを節約することができます。

ちなみに、キャッシングを利用した場合のATM引き出し手数料は無料の場合もありますが、だいたい1回の引き出しにつき100円~200円かかることが多いです。

そこに金利もかかってきますから、例えば1ドル=100円で200ドルを引き出し、金利18.0%で5日後に返済した場合だと、次のようになります。

200ドル×100円×18%=3,600円(年利率)

3,600円÷365×5日=49円

これに手数料が100円~200円ですから、トータル手数料は149円~249円になることになります。

当然、利息は1日で計算結果が異なってきますから、返済日が早ければその分利息額も少なくなります。

クレジットカードだとポイントや保険などのサービスがつく

海外利用でポイント還元率がアップするクレジットカードも

クレジットカードだからポイントがつくのは知っている、という人も多いでしょう。

しかし、海外でクレジットカードを使うと国内で使うよりもポイント還元率が高い場合があることを知っている人はそこまで多くないのではないでしょうか。

例えば、次のようなクレジットカードでは海外利用の方がポイント還元率が高く、多い場合でなんと10倍の開きがあります。

クレジットカード会社 国内利用還元率 海外利用還元率
Orico Card THE WORLD 1.0% 2.0%
デルタスカイマイルアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード 1.0% 1.5%
MileagePlusセゾンカード 1.5% 2.0%
セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード 0.75% 1.0%
JCB一般カード 0.5% 1.0%
学生専用ライフカード 0.5% 5.0%

もちろん、国内でも海外でも同じ還元率のクレジットカードも多いですが、目的に応じてカードを使い分けるとトータルでお得になることが多いので、2枚以上のクレジットカードを併用することをオススメします。

海外旅行保険をいちいちつけなくていいメリット

海外で盗難や破損の被害にあったり旅行中のケガや病気の治療をしたりする場合もあります。

そういったときに保険に入っていないと、数百万円から最悪の場合数千円を請求されることもあるので、海外旅行保険には必ず入っておきましょう。

「数千万円なんて、日本でも相当な病気しない限りないでしょ」と思った方もいるかもしれませんが、日本の医療システムと全く違うため、海外では救急車を呼ぶだけで10万円以上請求されることも普通にあるのです。

日本では救急車は無料で、初診料は3,000円前後ですよね。

これが、例えばアメリカであれば救急車が約12万円、初診料が約15,000円とかなり割高になります。

海外旅行保険に入っていた人が実際に利用した高額医療事例(ジェイアイ傷害火災保険株式会社の海外での事故例)を見てみてみましょう。

内容 支払保険金
イギリス 腹痛で急性虫垂炎と診断されて13日間入院、手術 741万円
フランス 骨折で20日間入院、手術(看護師付き添い医療搬送) 707万円
イタリア 骨折で11日間入院、手術(看護師付き添い医療搬送) 513万円
スイス 骨折で12日間入院(看護師付き添いで医療搬送) 1,269万円
オーストリア 頭部外傷、骨盤骨折で24日間入院(チャーター機で医療搬送) 1.582万円
アメリカ くも膜下出血で19日間入院、手術 2,528万円
カナダ 脳炎で19日間入院(チャーター機で医療搬送) 3,890万円

海外では数百万円が当たり前、高いと家が買えてしまうほどの高額な料金になってしまう場合があります・・・

たまたま海外旅行保険に入っていなかったとしたら、と考えるとゾっとしてしまいますね。

クレジットカードには自動付帯と利用付帯があるので注意が必要ですが、海外旅行保険がついている安心感は現金ではないので、その点を考えてもクレジットカードを持つ意味はあるでしょう。

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国内発行のクレジットカードでも海外で使える?

クレジットカード 国内

国内発行のクレジットカードでも、基本的には海外で使えます。

ただし、クレジットカードのロゴマーク次第で海外では使えないところもあります。

ロゴの種類 世界で使えるか
VISA 基本的にどこの国や地域でも使える
MasterCard 基本的にどこの国や地域でも使える
American Express 高級レストランやホテルでは使えるところが多いが、一般的な小売店だと使えないところも
DinersClub 高級レストランやホテルでは使えるところが多いが、一般的な小売店だと使えないところも
JCB 日本人がよく行く観光地では使えるところが多いが、マイナーな観光地だと使えないところも

海外ではAmerican ExpressやDinersClub、JCBに関しては1枚だけ持っていくのは不安なので、世界的に使えることが多いVISAやMasterCardのクレジットカードも持っていくことをオススメします。

また、次のように特定の店舗でしか利用できないハウスカードというカードがあり、これは海外では原則的に使うことができない場合が多いです。

  • マツザカヤMYカード(松坂屋)
  • 伊勢丹アイカード(伊勢丹)
  • 日産カード(日産)
  • コスモ・ザ・カード(コスモ石油)
  • 京王パスポートカード(京王百貨店) など

ハウスカードにはロゴがない場合が多いですが、今やその発行は減ってきています。

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海外でクレジットカードを使う際の注意点

  • 最低でも2枚持っていく
  • 海外旅行保険付のカードにする
  • キャッシングも合わせて利用するなら利用限度額を確認うsる
  • 有効期限を確認する

最低でも2枚持っていく

日本ならば何が起こってもすぐに対応することができますが、海外ではそうはいきません。

例えば次のようなトラブルが発生したときでも対応できるように、クレジットカードは2枚持っていくことをオススメします。

  • 利用限度額に到達した
  • カードを失くした
  • 財布ごと盗まれた
  • 磁気ストライプに異常があって使えない
  • 有効期限切れ など

また、クレジットカードの1枚は世界的に使えるVISAかMasterCardは1枚持っておきたいところです。

海外旅行保険付のカードにする

急病やケガ、損害賠償や盗難等いろいろなトラブルの損失を補償してくれる海外旅行保険付のカードを選びましょう。

ただし、海外旅行傷害保険の適用期間は最大でも3ヶ月程度のため、半年から1年レベルで海外に行く場合は不十分になる点に注意が必要です。

とはいっても、1枚につき3ヶ月程度なので、利用付帯のカードをうまく使うことで半年までカバーすることができます。

旅行保険には自動的につく「自動付帯」と公共交通機関などをカードで払うとつく「利用付帯」の2種類があります。

そこで、最初の3ヶ月は別のカードの保険を使って保険を3ヶ月カバーし、その保険が切れる際に別の利用付帯のカードを使って新しく保険を適用させるのです。

とすれば、複数カードを持っていけば1年以上保険を継続させることも可能なのですが、利用付帯のクレジットカードの保険は少なく、保険の補償額も100万程度までのように低いことが多いです。

さきほどご紹介したように、海外での医療費などは数百万円から数千万円かかることもあることを考えると、保険会社が提供している長期保険を利用すると安心です。

保険料は保険会社にもよりますが、次のようにだいたい1年間で20~40万円ほどかかります。(各保険料の最新情報を確認してください)

保険会社 保険料(目安)
三井住友 40万円前後
あいおいニッセイ同和
損保ジャパン日本興亜
AIU 20万円前後
東京海上日動
エイチエス損保
ジェイアイ

キャッシングも合わせて利用するなら利用限度額を確認する

キャッシングは海外では非常に使い勝手が良く、世界中どこの国や地域でも手数料が1~2%で現地通貨を入手できる利点があります。

現金との両替だと2~10%の手数料でしかも現地通貨から日本円に両替の際もかかるので倍かかることになります。

また、ドルやユーロ、ポンドなどのメジャーな通貨であれば手数料はそこまで高くなりませんが、それ以外のマイナー通貨となると手数料が高くなる傾向にあるのもキャッシングをオススメする理由です。

有効期限を確認する

数週間程度の海外滞在ならまだしも、半年から1年と長期滞在になる場合に有効期限をチェックしていないと大変な思いをするので、必ずチェックしましょう。

海外では更新クレジットカードの受け取りができず、本人限定郵便なので国内の家族でさえも受け取ることができません。

有効期限前であってもクレジットカードの更新は可能なので、クレジットカード会社にその旨を問い合わせてみてください。

カード会社によって更新可能期間は異なりますが、半年程度前であれば対応してくれるところも多いです。

 

このように、海外旅行の際にはクレジットカードを持っていったほうが使い勝手がよく、手数料の面でも安く使えることが分かります。

絶対に何が合っても現金主義!という人は別ですが、そこまでこだわりがなく安く済ませたいのであれば、クレジットカードを持って海外旅行に行くことをオススメします!