クーリングオフ全手順

  • 支払い後のクーリングオフって現金払いとやり方は違うの?
  • クーリングオフしたときのポイントはどうなる?

この記事をご覧になっている方は、上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。

これらについてまずサクッと簡単に説明すると、

▼支払い後のクーリングオフって現金払いとやり方は違うの?
ほとんど同じで、クレジットカード会社に通知するかしないかの違いはある。

クーリングオフしたときのポイントはどうなる?
身分証明書を複数、収入証明書、あれば住民票や携帯電話の契約書類など

審査条件は?
クレジットカード会社の規約に沿って後日減算

エステサロンや英会話教室など、契約時にトラブルになりやすいのがクーリングオフに関連する問題です。

その時の感情に流され、現金がなかったからクレジットカードで契約してしまうケースも多いです。

今回は、クレジットカードで契約した商品やサービスをクーリングオフする際の全手順について、ポイントはどうなるかも含めてご紹介します!

※少し長いので、目次を見て必要な所だけ見るのが良いと思います。



クレカ不正利用時にすぐやるべきこと
クレジットカードの裏面に署名してないとダメ
停電時はクレカ決済不能に?
クレジットカードのスキミング
利用限度額無制限のクレカ
税金をクレジットカードで支払う際の注意点
NHK受信料が半額になる条件



クーリングオフできる基準は?

クーリングオフできる基準は、どんな商品やサービスでもクーリングオフできるわけではなく、どのような経緯で契約したか、契約した場所はどこなのか、など取引内容の違いで変わってきます。

クーリングオフできるもの

契約内容 適用対象 クーリングオフ期間 根拠法律
訪問販売 全商品・サービス(権利は指定権利※のみ) 8日間 特定商取引法
店舗外取引(レストランなど)
キャッチセールス(声をかけられて店舗まで行って契約)
アポイントメントセールス(電話や郵便などで店舗に呼び出し)
連鎖販売契約(マルチ商法など) 20日間
特定継続的役務提供 エステ、語学教室、学習塾、家庭教師、パソコン教室、結婚サービスの6種類 8日間
業務提供誘引販売(在宅ワークやモニター商法など) 仕事の提供を約束し、仕事に必要な物品や登録に対する金銭負担をさせる取引
クレジットローン契約 特定契約に関する個別クレジット契約 8日間または20日間 割賦販売法
宅地建物売買契約 宅地建物取引業者が売り主の宅地建物の売買で、店舗外の取引 8日間 宅建業法
投資顧問契約 金融商品取引業者との投資顧問契約 10日間 金融商品取引法
不動産特定共同事業契約 不動産特定共同事業契約 8日間 不動産特定共同事業法
保険契約 保険期間1年を超える保険契約 8日間 保険業法
預託取引 3ヶ月以上の特定商品・施設利用権の預託取引 14日間 預託取引法
ゴルフ会員権契約 50万円以上のゴルフ会員権で、新規販売契約 8日間 ゴルフ会員契約適正化法
冠婚葬祭互助会契約 冠婚葬祭互助会の入会契約 8日間 割賦販売法

※指定権利とは、次のような権利のことをいいます。

  1. 保養のための施設またはスポーツ施設を利用する権利
  2. 映画や演劇、音楽、スポーツ、写真、絵画、彫刻その他の美術工芸品を鑑賞、観覧する権利
  3. 語学の教授を受ける権利

クーリングオフ期間は、初日を参入して計算していきます。

クーリングオフできないもの

取引内容 詳細
通信販売 自分から電話や郵便、ネットなどで申し込んだ場合(雑誌やチラシ、ダイレクトメール等の広告、ネットオークション、テレビショッピング、ホームページやネット通販など)
健康食品や化粧品、洗剤などの指定消耗品を使用した場合 特定商取引法や割賦販売法で定めた指定消耗品
自動車や運搬車 特定商取引法や割賦販売法で定めた適用除外品あり
事業者が商売のためにした契約 卸と仕入れのような業者間の一般的な商取引など
訪問販売や電話勧誘販売で、3,000円未満の現金取引の場合
クーリングオフ期間を過ぎた場合
エステや語学教室などの特定継続的役務提供のうち、短期または少額の契約 エステは1ヶ月以内、語学教室や学習塾、家庭教師、パソコン教室、結婚サービスは2ヶ月以内
取引する意思を持って自分から業者を自宅に呼び寄せた場合
自分から業者に電話をかけさせた場合
店舗販売業者が行う御用聞き販売の場合
店舗販売業者が過去1年間に1回以上取引のあった顧客に対して自宅訪問した場合
無店舗販売業者が過去1年間2回以上訪問販売で取引のあった顧客に対して自宅訪問した場合
業者が過去1年間に2回以上電話勧誘販売で取引があった顧客に対して電話をかけた場合
事業所の管理者の書面による承認に対して電話をかけた場合
外国にいる者に対する販売
地方公共団体や国などと契約した場合
業者とその従業員との契約

上記以外にもクーリングオフできない場合があります。

法律上クーリングオフできない場合であっても、業者の善意や業界団体の自主規制などでクーリングオフに応じる場合もありますので、基本的には契約書を確認するようにしてください。

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クレジットカード支払い後のクーリングオフ全手順

クレジットカード支払い後のクーリングオフ全手順は、次のとおりです。

  1. 契約書を確認
  2. クーリングオフ通知をする
  3. クレジットカード会社に通知する

契約書を確認

取引をする際には、クレジットカード払いや銀行引き落とし、現金払いなどに関係なく契約書を交わす必要があります。

クーリングオフをしたい場合には、この契約書を交わして受け取った日を含めて8日以内に解約する旨の通知書を発送することで成立します。

つまり、クーリングオフ期間が8日間のものであれば、1月1日に書面契約をして1月8日までのの消印で通知書を発送すればクーリングオフが成立するということになります。

契約はしたが契約書を受け取っていないのであれば、クーリングオフ期間に縛られることはなくいつでも解約することができます。

クーリングオフ通知をする

契約自体は口頭でも有効になるように、クーリングオフは口頭でも有効なのでしょうか?

例えば、電話でクーリングオフを申し出て相手が「この電話でクーリングオフ、受け付けますので」と言われたとしましょう。

しかし、後日「クーリングオフのことは聞いていません。通知書は出していなければダメだと、法律で定められていますよ」と言われてしまったら、クーリングオフする発言をしたことの証明が困難になってしまいますね。

事実、特定商取引法には、「書面により申込の撤回または契約の解除を行うことができる」と明記されており、書面で行うことが定められています。

これは、口頭だとクーリングオフの期間内にその発言をしたかどうかを証明することが困難な場合があるからで、業者とのトラブルを避けるために書面による証拠を残す必要があるわけですね。

実際にクーリングオフを口頭で行ってトラブルになるケースは多く、裁判で争うことも少なくありません。

裁判結果では口頭でのクーリングオフを認めている判決も出ていますが、トラブルはできるだけ避けたいのであれば書面で行ったほうが良いでしょう。

クーリングオフの通知方法としては、ハガキで特定記録郵便か簡易書留で行う方が確実です。

販売会社に通知する

クーリングオフ 販売会社

※出典 名古屋市消費生活センター

クレジット会社に通知する

クーリングオフ クレジット契約買取業者に通知する

クーリングオフ 買取業者 記載したハガキは、郵送前に証拠として必ず両面コピーしておきましょう。

郵便局の窓口で特定記録郵便または簡易書留で出し、領収証とともにコピーを保管しておきましょう。

料金 配達方法
特定記録郵便 ハガキ代62円+160円 郵便受け箱へ配達され、受取人の受領印または署名なし、郵便追跡サービスあり
簡易書留 ハガキ代62円+310円 手渡し、受取人の受領印または署名あり、郵便追跡サービスあり

上記のようにすれば自分自身でクーリングオフができるとはいえ、お金が絡むことでもあるのでプロに任せたいと思う人もすくなくありません。

最近では、行政書士でクーリングオフを代行することができ、料金目安は次のようにクーリングオフの契約金額によったり、モノによって変わったりします。

<行政書士事務所A>

契約金額 代行費用
10万円未満 8,000円
10~20万円未満 10,000円
20~30万円未満 12,000円
30~40万円未満 14,000円
40~60万円未満 16,000円
60~100万円未満 18,000円
100万円以上 20,000円

<行政書士事務所B>

浄水器や布団 それ以外
返金を受けたり、商品を返品する必要がないケース 8,500円 8,500円
返金を受けたり、商品を返品する必要があるケース(クレジットカード決済含む) 8,500円 13,500円

<行政書士事務所C>

料金
契約金額は問わず、クーリングオフ期間内(クーリングオフ期間の残数による) 3,980円~6,980円
契約金額は問わず、クーリングオフ期間後(特定継続的役務提供の場合) 9,980円
電子内容証明一式 2,202円

だいたい数千円~10,000円前後が目安で代行してくれるところが多いようですね。

クレジットカード会社に通知する

クレジットカード会社への通知は、強制ではないところがほとんどです。

例えば、クレジットカード会社大手のJCBでは、次のように説明しています。

クーリングオフはお客様がお店に対して行なう手続きであり、カード会社に申し出をしてカード会社が売上を取り消しすることではありません。 そのため、クーリングオフ期間内に特定記録郵便や簡易書留でお店に通知をしている場合は、カード会社に通知書を送る必要はありません。 なお、お店の対応に不安な場合は、カード裏面に記載のカード発行会社にお送りください。

三井住友カードでは、次のように説明しています。

お客さまから弊社への連絡は必ずしも必要ではございませんが、お店(ご契約先)に通知した書面のコピーを弊社へお送りいただければ、該当のカード売上の取り消しを確認いたします。お店(ご契約先)へのクーリング・オフ通知時期によっては、カードご利用代金として、一旦お支払いいただいた後に返金させていただく場合もございます。ご不明な点は、弊社お客様相談室までご連絡ください。

このように、クレジットカード会社への連絡は必ずしも必要ではありませんが、不安な場合は問い合わせる程度ですね。

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クーリングオフ時のポイントはどうなる?

クレジットカード ポイント クーリングオフ

クーリングオフ時のポイントは、クレジットカード会社の規定に沿って減算されます。

以前、返品やキャンセルを利用した不正なポイント取得が問題になり、クーリングオフを含めたキャンセルや返品などに対するポイントへの対応は厳しくなりました。

例えば、クレジットカードを使ったJRの定期券購入です。

  1. クレジットカードを使ってJR定期券を購入
  2. 定期券をSUICA定期券に変更
  3. SUICA定期券を解約して返金

これだけで、ポイントは手元に残って現金だけ返金される「瓜返し」と言われる方法がありました。(現在は使えません)

大手クレジットカード会社の三井住友では、クレジットカードでの支払キャンセルに関しては、次のように説明しています。

返金処理が発生した場合はいつ返金される?

実際にクレジットカードの支払いキャンセル(取り消し)を行った場合、クレジットカード会社の締め日によっても異なりますが、遅くともキャンセルから2ヵ月以内に返金されるのが一般的です。それ以上経っても返金されない場合には、商品を購入した店舗へ問い合わせをするようにしましょう。ネットショップなどの中には、返品に条件を設けていて、それを満たしていなかったために返品処理がされていないことも稀にあるからです。店舗側がすでにクレジットカード会社へ返金処理を依頼済みだった場合には、クレジットカード裏面に記載しているクレジットカード会社へ問い合わせてみてください。

そして、クレジットカードのポイントに関しても、返金されるタイミングで減算されると説明しています。

クレジットカードで購入した商品を返品する場合の返金分のお金は翌月のクレジットカード利用代金から相殺されるのが一般的で、ポイントもそのタイミングで減算されるとおぼえておきましょう。

 

クレジットカードを使った商品やサービスのクーリングオフは、現金や銀行振込の場合とやり方はほとんど同じで、不安な人は最後にクレジットカード会社に確認する手続きをしておきましょう。

また、契約先が大手ならまだしも、名前もあまり知られていない中小企業の場合は嫌がらせでクーリングオフ期間を過ぎてから連絡がとれるようにしてくるところもあるので、行政書士に頼むのも一つの方法です。

今回の記事を参考にして、状況に応じて対応してみてくださいね。