クレジットカードをつくって、署名をしないまま使用している人も多いのではないでしょうか?
私も以前は署名をしないまま使っていた一人でした。
しかし、ある日お店でクレジットカードを使おうとしたときに「署名をしないと使えない」と言われ、少しイライラしながら署名をしました。
その後、署名に何の意味があるのか調べたところ・・・
クレジットカードへの署名は絶対にしなくてはならないものだと思い知らされました。
今回は、クレジットカード裏面に署名をしないと起こりうるデメリットと、署名の書き方や間違えたときの対処法などを混じえてご紹介します!
起こりうる3つのデメリット
まずは、クレジットカード裏面に署名をしないとどういったデメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
起こりうる3つのデメリット
- 【デメリット1】カードでの支払いを断られることがある
- 【デメリット2】あらぬ疑いをかけられることがある
- 【デメリット3】盗難・紛失保険の補償対象外
デメリット1:カードでの支払いを断られることがある
商品やサービスを販売する側は、クレジットカードの利用者に対してその場で署名を求めて、応じない場合はクレジットカードを使用した買い物を断ることが可能です。
クレジットカードで買い物をする際はその場で支払っているような感覚ですが、これは後払いで購入していることになります。
なぜ後払いができるかといえば、クレジットカード利用者に対してクレジットカード会社が審査をして「この人は支払うだけの収入や資産がある」という信用があるからです。
クレジットカード裏面の署名は、買い物をした際の売上票への署名と照合させるために必要であり、クレジットカード利用者が本人かどうかを確かめるわけですね。
しかし、署名をしないでクレジットカードを使えた、という経験も多くあるのではないでしょうか?
そのときは、次の2つの可能性があります。
1、本当は確認が必要だが、店員がしていない
2、お店側が署名がいらない決済(サインレス決済)を契約している
ただ単にお店の店員さんがチェックをしていない例は、たびたび見受けられます。
同じお店で買い物をしていて、以前は使えて今回は使えないというのがいい例です。
以前の私のように、お店側にクレジットカード裏面に署名がないと使えない旨を伝えられて「そんなこと今まで言われたことないし、これまでも使えたんですけど!」と反論するのは間違いだということです。
サインレス決済については後述しています。
デメリット2:あらぬ疑いをかけられる場合がある
クレジットカードの裏面に署名がなくても日本ではそこまで厳しく店員に言われることは少ないですが、海外では話が別です。
海外でクレジットカードは身分証明書としての役割が大きく、クレジットカードの署名がないと「盗んだカードではないか?」と疑われることがあります。
外国語が流暢ならばすぐに対応できますが、もしそうでない場合はややこしい状況になることは想像できますよね。
最悪の場合は警察を呼ばれて事情聴取・・・なんてこともあり得るので、必ずクレジットカード裏面には署名をしましょう。
また、海外ではクレジットカードがないとホテルに宿泊できなかったり、高額なデポジット(保証金)を請求されたり、レンタカーを借りることができない場合も多いので注意が必要です。
クレジットカードがないと「身元が確認できない怪しい人」という印象を持たれるだけでなく、「支払い能力がない人なのでは」と疑われることもあるというわけですね。
署名入りのクレジットカードが使えれれば、クレジットカード会社の審査をクリアしている人ということで信用がありますし、ホテルに泊まったまま逃げられたり、車を借りられたまま逃げられる心配がないということですね。
海外では、国によっては現地人でさえ安全面から現金を大量に持ち歩かず、スリにあってもその人の管理能力が甘い、とされてしまいます。
そういった意味でも、身分証明書になって不正利用されても補償されるクレジットカードは必ず持っておきましょう。
特に海外に行くのであればオススメなのが写真入りのクレジットカードです。
出典:三井住友VISAカード
このように顔写真が入ることで本人認証が強化されるので、不正利用される可能性が低くなります。
現在は三井住友VISAカードで写真入りクレジットカードの発行が可能で、他のクレジットカード会社はまだ対応していないところが多いです。
写真入りにしたといってもネットショッピングやサインレス決済では不正利用されるリスクはあります。
したがって、あくまでも安全性を強化する一つの手段として考えて下さいね。
ちなみに、海外でクレジットカードを使用して署名を求められたときに、なんとなく外国人に分かるようにとローマ字で書いている人も多いのではないでしょうか?
さきほどもご紹介したとおり、店頭で求められる署名はクレジットカード裏面の署名と一致しているかどうかを確かめるためにやっています。
つまり、筆跡鑑定のようなイメージですね。
したがって、クレジットカード裏面の署名が漢字であれば店頭での署名も漢字に、ローマ字であればローマ字にします。
最近では中国人の旅行者が増えたことで漢字を目にする外国人も増えたとは言え、ローマ字よりも漢字のほうが外国人にとってはマネしにくいので、海外では多少は不正利用されにくいと言えるでしょう。
デメリット3:盗難保険・紛失保険の補償対象外
日本のクレジットカードには100%盗難保険と紛失保険が自動で付いているので、手続きをする必要はありません。
盗難されても紛失しても被害に遭った場合の補償内容は同じですが、次の手続きを踏まないと補償が受けられません。
- 最初にクレジットカード会社に連絡
- 最寄りの警察署に届け出をし、受理番号を保管
- 再度クレジットカード会社に連絡し、警察署で教えてもらった受理番号を伝える
盗難保険と紛失保険は、適用されるのが不正利用から60日以内で連絡をすることで有効になるので、利用明細はコマメにチェックしておきましょう。
「なんだ、じゃあ盗まれても紛失しても安心だ」と思うかもしれませんが、これはクレジットカード利用者本人に重大な過失がある場合は対象外です。
重大な過失とは、次のような内容を指します。
- カード裏面に署名をしていない
- クレジットカードを入れた財布や鞄を置き忘れた
- カード情報を記録したノートやスマホなどを盗まれた
- 利用明細を確認せず適用期間を過ぎた
- 警察に届け出をしていない
特に多いのがカード裏面に署名をしていないケースで、署名していないがばかりに大金を補償されないなんて非常にもったいないですよね。
「自分のものに名前を書くなんて、子どもみたいで恥ずかしい」のように思う人もいるかもしれませんが、全く逆です。
署名をしているということは、安全性を高められるし補償も受けられることを知っているということになり、署名をしていない方が子どもみたいで恥ずかしいことなのです。
知らなかった、忘れていた、では済まないことなので、必ずクレジットカードの裏面には署名をしてくださいね!
署名の書き方に正式な決まりはあるか
クレジットカード裏面の署名の書き方には、正式な決まりはありません。
さきほどもお伝えしたとおり、クレジットカード裏面の署名とクレジットカードを使用した店頭で求められる署名が一致していればOKなので、次のようにどんなものでも使えるのです。
- 漢字
- 平仮名
- カタカナ
- ローマ字
- 筆記体
- 他言語
- イニシャル
- ペンネーム
- 記号
- 座右の銘 など
例えば、「☆」や「^^」のように絵文字のようなものも使えるということで、カワイイから使う人もいるかもしれません。
しかし、人に真似されやすいものは不正使用されやすいので避けたほうが良いです。
簡単なローマ字や漢字であっても、丁寧には書かずに汚くても自分らしい字で書くことで他人に真似されにくいです。
署名を書く際は、すぐ消えてしまうような水性ペンではなくボールペンや油性のフェルトペン、マーカーペンで書くようにしましょう。
署名を間違えた場合や薄くなってきた場合の対処法
クレジットカード裏面の署名を間違えてしまった場合や薄くなってしまった場合、上書きして書き直してはいけません。
書き直しを認めてしまうといくらでも不正利用ができてしまうので、面倒でも再発行の手続きを申請しましょう。
再発行には普通のカードで10日前後、クレジット機能付きのカードで4週間程度かかります。
発行手数料は基本的には有料のところが多いですが、状況によって無料になる場合があり、同じカード会社でもカードの種類によって手数料が異なることもあります。
それらの基準は各クレジットカード会社によって異なるので、再発行前に問い合わせてみてください。
署名を変えたい場合や結婚して新姓で署名したい場合も、再発行が必要になります。
クレジットカードの再発行の際には安全のために入金や延滞金を調べる程度の審査があるので、普段からお金の借入に関してしっかり管理しておきましょう。
署名が必要ない場合(サインレス決済)について
コンビニや大手スーパー、ユニクロやスターバックスコーヒーなどで導入されているのが、署名なしで支払うことのできるサインレス決済です。
これは事前にクレジットカード会社とサインレス決済の契約をしたお店に限られ、1万円や5万円以内など比較的少額の決済時に利用できます。
サインレス決済額の上限はお店によって異なり、例えば大手コンビニチェーンのセブンイレブンでは1万円以内、大手デパートのイトーヨーカドーでは3万円以下、のようになっています。
サインレス決済は分割払いやリボ払いはできず、一回払いのみです。
いちいち署名していたら時間も手間もかかりお客様を待たせることになるので、そういったことを省けるメリットがありますが、気軽に使いすぎて気づいたらかなりの金額になっていたということや、悪用されやすいというデメリットもあります。
ただ、悪用しても10万円や100万円などの高額決済はできないことやクレジットカードの利用履歴と防犯カメラでの照合で犯行がバレやすいこともあって、お店側も導入をしているということでしょう。
スポンサーリンクまとめ
今回ご紹介した内容をまとめると、次のようになります。
- クレジットカード裏面の署名を必ずする
- 署名をしないと、カードでの支払いを断られたり盗んだカードではないかと疑われたり、盗難・紛失保険の対象外になってしまう
- 署名の書き方はなんでもよく、丁寧には書かずに自分らしく書く
- 署名を間違えたり薄くなってきたりしても上書きせず、面倒でも再発行する
- サインレス決済は、サインレス決済を契約したお店で少額に限られる
クレジットカード先進国であるアメリカでは、スマホ決済やセキュリティの高いICチップを埋め込んだクレジットカードが導入されていることから、VISAやMasterCard、アメックス、ディスカバーが店頭での署名を廃止しています。
日本でもいづれ署名が廃止されるかもしれませんが、今はまだ署名をするところが多いので、今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。