クレジットカード 契約者死亡

通常、クレジットカードの解約となると、契約者本人なら電話1本で解約手続きができる場合が多いですが、クレジットカードの契約者本人が死亡した場合、解約にはどのような手続きを踏むのでしょうか?

クレジットカードに入会するための情報はたくさんがありますが、いざこのような通常とは異なる退会・解約となると、なかなか情報にたどり着けなかったりします。

解約手続きができないと、引き落としの口座に残高があるかぎり、無駄に年会費を払い続けてしまうことにもなりかねません。

また、支払残高が残っていた場合は誰が支払うべきなのでしょうか?

そこで今回は、メジャーなクレジットカード会社3社に直接電話で取材をし、クレジットカード契約者本人が死亡した場合の解約手続き方法や、支払残高の支払いはどうなるのかなどをまとめました。

いざという時に迷わないためにも、ぜひここで理解しておきましょう。



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契約者本人が死亡した場合のクレジットカードの解約手続き方法

クレジットカード

今回は国内でクレジットカード発行会社としてトップシェアを誇る三井住友カード三菱UFJニコスと、外資系クレジットカードブランドとして人気の高いアメリカン・エキスプレスの3社に、クレジットカード契約者本人が死亡した場合の解約方法を電話で取材しました。

今回、電話で取材したのは以下の3社。

  • 三井住友カード株式会社
  • 三菱UFJニコス株式会社
  • アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド

この3社を選んだ理由は、三井住友カードと三菱UFJニコスは国内でもクレジットカード発行会社(イシュア)としてシェア率トップを占めているため、この2社の回答がおおよその平均になるとの考えからです。

また、アメックス(アメリカン・エキスプレス)は国内ではそこまでシェア率は高くないものの、外資系クレジットカードブランドとして確固たる地位を築いているからです。

国内のクレジットカード発行会社は多数ありますが、この辺りのメジャーどころの対応が平均の目安の一つとなると考えました。

それではここで挙げた3社に直接電話で取材し、得られた回答をご紹介します。

三井住友カード株式会社での契約者本人死亡後の解約手続き方法

クレジットカード

三井住友カードが発行するクレジットカードにて、契約者本人死亡後の解約手続きをする際には、契約カードの種類によって電話での解約が可能な場合と、退会用紙にて手続きする場合があります。また死亡診断書のような特別な書類は必要なく、支払残高は口座に残高があればそのまま引き落としされます。

Q.契約者本人が死亡した場合のクレジットカードの解約手続き方法を教えてください。
A.契約カードの種類により異なりますが、基本的には親族からの電話で解約可能です。
Q.親族なら誰が電話連絡しても解約可能ですか?
A.ご家族の方からのお電話で解約可能です。ご希望があれば、退会用紙をこちらから送付もできます。
Q.電話で親族かどうかはどのように判断するのですか?
A.ご契約者様の情報をお聞きしてご親族かどうか判断します。
Q.契約カードの種類によって電話のみでは解約できないものもあるのでしょうか?
A.はい。PiTaPaなどICカード機能が付いているものは退会用紙に記入の上、カードをご返却していただきます。
Q.死亡診断書など何か必要な書類はありますか?
A.いいえ。基本的には必要ありません。
Q.支払残高がある場合はどのようになりますか?
A.ご登録の引き落とし口座が凍結しているかを確認後、口座に残高があればそのまま引き落としされます。凍結されている場合や残高がない場合は支払い担当の部署とご家族との相談になります。
※口座の凍結・・・口座名義人が死亡したことを金融機関が把握すると、預金口座は一度凍結され、入金も引き出しもできなくなります。

三菱UFJニコス株式会社での契約者本人死亡後の解約手続き方法

クレジットカード

三菱UFJニコスが発行するクレジットカードにて、契約者本人死亡後の解約手続きをする際には、配偶者・親子・兄弟からの電話にて解約することは可能。その他の親族になると、退会用紙に必要事項を記入の上で解約となります。死亡診断書のようなものは必要ありません。支払残高は一括で精算する場合はコールセンターで対応が可能。それ以外では法定相続人と担当部署との相談になります。

Q.契約者本人が死亡した場合のクレジットカードの解約手続き方法を教えてください。
A.電話での解約が可能なケースとこちらから送付する退会用紙が必要なケースがあります。
Q.電話での解約手続きが可能な場合と退会用紙が必要な場合をそれぞれ教えてください。
A.電話での解約には親族の方で、配偶者(夫や妻)・親子・ご兄弟からご連絡をして頂く必要があります。その他の親族ですと、こちらから送付する退会用紙にご記入頂いてからの解約となります。
Q.電話で親族かどうかはどのように判断するのですか?
A.ご契約者様の情報をお聞きしてご親族かどうか判断します。
Q.死亡診断書など何か必要な書類はありますか?
A.いいえ。特にそのようなものは必要ありません。
Q.支払残高がある場合はどのようになりますか?
A.一括でお支払いの場合はコールセンターでの対応が可能です。それ以外だと、法定相続人と担当部署とのご相談になります。
※法定相続人・・・相続する権利がある人のこと。死亡した人の配偶者(妻や夫)は必ず法定相続人になれますが、いない場合はその子供や孫、親(父や母)、兄弟の順で相続順位が民法で決まっています。

アメリカン・エキスプレスでの契約者本人死亡後の解約手続き方法

クレジットカード

アメリカン・エキスプレスが発行するクレジットカードにて、契約者本人死亡後の解約手続きをする際には、基本的に親族からの電話のみで解約が可能です。死亡診断書などは特に必要なく、支払残高は基本的に一括精算ですが、状況によっては2回など分割に応じることも稀にあるそうです。

Q.契約者本人が死亡した場合のクレジットカードの解約手続き方法を教えてください。
A.基本的に親族からの電話のみで解約できます。
Q.電話で親族かどうかはどのように判断するのですか?
A.ご契約者様の情報をお聞きしてご親族かどうか判断します。
Q.死亡診断書など何か必要な書類はありますか?
A.いいえ。特に必要ありません。
Q.支払残高がある場合はどのようになりますか?
A.口座凍結確認後、凍結されていなければ、これまで通り毎月引き落としとなります。もし口座凍結や残高不足の場合は、こちらの担当部署とご親族様との話し合いとなります。また、その際は基本的に一括でのお支払いになります。
Q.支払残高の一括精算が難しい場合は分割もできますか?
A.基本的には一括精算のみです。ですが、担当部署とご家族様との話し合いで、2回などの分割に応じるケースもあります。
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クレジットカード契約者本人が死亡した場合の支払残高は誰が払うの?

クレジットカード

クレジットカード契約者本人が死亡し、支払残高がある場合は法定相続人が遺産として相続し、相続放棄をしないかぎりは返済義務があります。相続放棄をする場合には3ヶ月以内に家庭裁判所に申請する必要があります。また、相続放棄をすると返済義務は他の親族に移動するので、トラブルとなる場合もあります。そして相続放棄は一度認められると詐欺や脅迫をされて申請したのでなければ原則として撤回できません

財産にはプラスの財産とマイナスの財産がある

財産には現金や不動産などプラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産もあります。

クレジットカード契約者本人が死亡し支払残高がある場合、これはマイナスの財産として遺産になるので、その支払い義務は法定相続人にあり、相続放棄をしないかぎりは返済する義務があります。

法定相続人とは上でも触れていますが、相続する権利がある人のことで、死亡した人の配偶者(妻や夫)、子供や孫、親(父や母)、兄弟の順で相続順位が決まっています。

相続人は支払残高を借金として返済するしかないの?

ここまで契約者本人が死亡した場合の、各クレジットカード会社の解約手続き方法を見てきましたが、支払残高がある場合は各クレジットカード会社は当然、返済してもらうように話をします。

しかも基本的には一括で支払いをしなければなりません。

多額の支払残高があった場合、たとえ家族が使ったとはいえ、それをいきなり一括で請求されてもツラい話です。

しかし「相続人は相続放棄しないかぎりは返済義務がある」とご説明した通り、相続放棄をすれば、この支払残高を返済する義務はなくなります。

相続放棄の注意点

相続放棄をすれば、クレジットカードの契約者本人が死亡したことで支払い義務が生じる借金を返済する義務はなくなりますが、注意点がいくつかあります。

  • 相続放棄は、死亡した人から自分が何かを相続すると知ってから3ヶ月以内という期限があります。
  • 例えばあなたが父親の借金を相続放棄した場合、その借金は祖父母、いなければ父親の兄弟というように返済義務が移ります
  • 相続放棄が認められると原則として撤回はできません

借金が帳消しにできると思い、安易に相続放棄をしてしまうと、その借金は他の親族に移りトラブルになる可能性もあります。

また、一度相続放棄が認められると、詐欺や恐喝などでなかった限り、撤回することはできないので、あとから借金を上回るほどの価値がある美術品や不動産が発見されても相続できません

相続関係は身内とのトラブルになりやすいものです。

相続放棄をする前に、死亡した方の財産をしっかりと調査し、慎重に行うことが必要です。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

ネット上の情報では、「死亡診断書や戸籍謄本もしくは住民票などが必要になる」のような書き込みがあったりしますが、今回の取材したメジャーな各クレジットカード会社では、基本的にそのようなものは必要ありませんでした。

そしてどのクレジットカード会社も契約者本人死亡後の解約手続の方法は同じような手順です。

また、支払残高の返済も場合によっては相続放棄で支払い義務を放棄できますが、そのあたりは慎重に判断する必要があります。

最後にまとめておきます。

  • 配偶者・親子・兄弟なら基本的に電話で解約手続きが可能
  • 死亡診断書などの書類は必要ない
  • 支払残高は法定相続人へ相続される
  • 支払残高は相続放棄で返済義務を放棄できるが慎重に判断すべき。

解約手続きをする場合は、死亡した契約者の最低限の情報(名前、住所、生年月日、カード番号、電話番号、銀行口座など)をご用意して電話をするとスムーズに手続きができるでしょう。